ビットコインの消失事件と仮想通貨の保管方法について

消失

2014年3月にビットコイン取引所であったマウントゴックス(Mt.Gox)で、顧客から預かったビットコインの大半が消失するという事件がありました。取引所による発表によると、ハッキングの被害に遭ってコインが盗まれたと説明されていました。ところがその後の調査でコインが消失したのは、ハッキングやビットコインそのものセキュリティ上の欠陥ではなく、経営者が不正に使い込みをしていたことが判明しています。

ビットコインそのもののプログラムには何ら問題がなく、仮想通貨の安全性が確認されました。その後も秘密鍵をきちんと管理している限り、コインが失われるようなトラブルは発生していません。

一般的に銀行預金であれば行政機関や司法機関が預金の凍結を行ったり、資産を差し押さえることができます。これに対して、管理者不在の仮想通貨は秘密鍵を持つコインの所有者以外の人がコインを盗んだり、資産を凍結することができない仕組みになっています。このため、仮想通貨は銀行預金や他のいかなる方法よりも資産を安全に保管することができます。もしも秘密鍵を失ってしまうと、コインの持ち主でも永久に出金ができなくなってしまいます。

注意すべき点として、仮想通貨取引所のアカウントやオンラインウォレットは他人が秘密鍵を管理しているため、盗難の被害に遭ってコインが消失してしまう恐れがあります。仮に犯人が捕まっても失われたコインが持ち主の元に戻る可能性が低いので、多額のビットコインを保管する場合には自分専用のウォレットを使用する必要があります。